創作をする人や、創作を見るのが好きな人にとって、SNSをはじめとしたネット上で、自分と似た趣味を持つ人と繋がれるのはとても素晴らしいことです。
その一方で、SNS疲れという言葉が一般的に浸透しているように、SNSを利用し続けることで精神的に悪影響を受けてしまう可能性もあります。以下のような経験に、心当たりがある方も多いのではないでしょうか。
- 自分の作品についたいいねやリポストの数など、他人の反応を気にしすぎてしまう
- 他の人の素晴らしい作品を見て、自分と比べて落ち込む
- 見ていて不快になる・落ち込んでしまうようなニュースや意見が頻繁に目に入る
- なのにタイムラインからなかなか離れられなくて、時間も精神も浪費する
この記事では、創作をする人、創作を見るのが好きな人に向けて、SNSに疲れたときにオススメの対処法を紹介します。
この記事を楽しい創作活動に役立てていただければ幸いです。
まずはSNSと距離を取る
SNSに疲れたな……。そう思ったら、まずはSNSと距離を取ってみるのが一番でしょう。
しかし、一度SNSのある生活に慣れてしまったら、SNSから距離を取るぞ、と心に決めただけではなかなか離れられないものです。ではどうすればよいのでしょうか? 具体的な距離の取り方を以下に紹介します。
SNSからログアウトしてみる
思い切って、SNSからログアウトしてみるのはいかがでしょうか。最もカンタンで、かつそれなりの効果も期待できる方法です。
フォロワーに心配をかけたくないのであれば「少し不在にします」と投稿しておくとよいでしょう。
SNSにカンタンにログインできないようにする
端末やブラウザにSNSのログインパスワードを記憶させている人は、一度SNSをログアウトしてもカンタンに再ログインできてしまいます。SNSをログアウトしても、つい見に行ってしまう……そんな方には、カンタンにSNSを見に行けないように工夫するのがオススメです。
二段階認証を活用する
一部のSNSでは、ログインに二段階認証を設定することができます。
二段階認証を設定すると、ログイン操作をするときに、ユーザ名やパスワードだけではなく、特定の端末やアプリで取得できる6桁の数字を要求されるようになります。
説明を読むだけでも、なんだかめんどくさそうですよね?でも、そのめんどくささを利用してこそ、SNSから距離を取ることができるのです。
パスワードを覚えられないものにして、デバイスに記憶させない
パスワードを自力で入力できないものに変更してしまうのも良い手です。
SNSのログインパスワードを、大文字、小文字、数字そして記号がランダムに入り乱れた長いパスワードに変更してしまいましょう。さらにデバイスにパスワードを記憶させないようにします。これで、ログインには必ずパスワードの手入力が必要になるわけです。新しいパスワードは、デバイスのメモ帳アプリなどにペーストしておきます(他の人の目に触れさせないよう注意してください)。
こうすれば、自分の記憶だけではログインできなくなってしまいます。ログインをするのに、いちいちメモ帳アプリからパスワードをコピーしてこなければいけなくなるわけです。
ちょっとした手間に思えますが、実際にやってみるとなかなか面倒です! また、パスワードをカンタンにコピーできない場所にしまっておくのもよいですね。二段階認証と合わせ技にすると、なかなか高い効果を発揮しますよ。
セキュリティーが高く、突破されにくく、覚えづらいパスワードを作るために、専用のサイトを活用するのもよいでしょう。ここではウイルスバスターで有名なトレンドマイクロ社の公開しているパスワード生成サイトを紹介します。ぜひご活用ください。
アプリをアンインストールする
SNSを専用のアプリで閲覧している人は、アプリをアンインストールしてしまうのも良いかもしれませんね。
要するに、SNSがあるのが悪いのではなく、SNSがあまりにもカンタンに手に届いてしまい、気軽に見に行けるのが良くないのです。すぐには見られないようにしてしまえば、SNSから距離を取ることはそう難しくはありません。
最初はそわそわするかもしれませんが、一日もするとSNSのない生活に慣れますよ。ぜひ、自分に合った方法を試してみてください。
積んでいたコンテンツを消化してみる
本、漫画、映画、ゲーム、動画……なんでもいいです。ずっと気になっていたけど、きっかけがなくて手を出せずにいたコンテンツはありませんか? この機会に、そういった積みコンテンツに触れてみるのはいかがでしょうか。
SNSを見るのに使っていた時間を有効活用して、新しい刺激を受けてみましょう。
ツールの使い方を見直す
SNSから距離をとって少し気持ちが落ち着いたら、改めて自分がどうしてSNSを使いたいのか、SNSを使うことでどうなりたいのか考えてみましょう。
なにもSNSをきっぱりやめる必要はありません。自分にとって、適切なSNSの使い方、SNSとの距離を探ってみるのはどうでしょうか。
他のSNSを触ってみる
なんだか逆効果のように思えるかもしれませんが、自分の今使っているものとは別の、新しいSNSに手を出してみるのも、意外とよい効果を生むかもしれませんよ。
決まったSNSをひとつだけ使うのではなく、複数のSNSに自分の居場所を分散させることで、特定のプラットフォームに依存することを防止できる可能性があります。
また、もしかしたら今使っているSNSよりも、こっちのSNSの方が合ってる……と思える場所が見つけられるかもしれません。
SNSの機能を駆使して快適なタイムラインを構築する
それでもSNSを使い続ける場合は、せめて見ていてできるだけ不快にならないタイムラインを作ることが大切です。例えば、以下のような対策をしてみましょう。
- フォロー関係の整理
- ブロック、ミュートの活用
- 特定の人のリポスト表示をOFFにする機能の活用
個人サイトを触ってみる
創作物をオンラインで発表する場を持ちたい人には、個人サイトを作ってみることもオススメです。個人サイトとは、自分でサーバやホームページレンタルスペースなどを借りて、そこに作ったサイトのことです。
個人サイトは、SNSとは違って、多くの人の目には触れませんし、いいねやリポスト、インプレッションなどの他の人と比較できる数字もありません。
個人サイトを作ることで、SNSで活動していた時よりも、はるかにのんびりと創作を楽しめるようになった! という人は多いですよ。
すでに個人サイトを持っている人は、これを機に個人サイトに大幅なテコ入れをしてみてもいいかもしれませんね。大改装をしてみたり、今まで興味があったけど、なかなか手が出せなかったプログラムを導入してみてもいいかもしれません。
SNSと距離を取るとどんな変化が起きる?
では、実際にSNSと距離をとったことで、どのような変化が起きたかを、筆者の実体験や過去のアンケートに基づいて紹介します。
自由な時間や思考のリソースが増える
SNSから距離を取ると自由な時間が増えます。それも、自分で思っていたよりもぐっと増えます。
また、これはあくまで筆者の肌感覚ですが、時間だけでなく思考のリソースも増えるような感じがします。SNSを見ているときは、細切れの情報がたくさん脳に流れ込んできます。SNSから距離を取ることで頭の中にインプットされる大量の情報を減らし、その分の思考リソースを別のことに割けるようになるのかもしれません。
タスクの消化が進む
自由な時間や思考のリソースが増えることで、タスクの消化も進みます。
やらなければいけないとわかっているけど、先延ばしにしていたこと……やりたいと思ってはいたけど、時間がなくて手がつけられていなかったこと……そんなタスクたちが、SNSから解放したリソースを使うことで少しずつ片付けられるようになるわけです。
他人の評価が気にならなくなる
SNSに数字はつきものです。いいね、リポスト、インプレッション、フォロワー……たくさんの数字があります。そしてこれらの数字は同じプラットフォーム上で、常に他者の数字と比較されます。
誰か他の人と数字で比較されるなんて、本来ならばそうそうない機会のはずなのに、SNSでは24時間365日、他の人と数字で比較することができるわけです。これでは疲れてしまうのも当然のことです。
SNSから数日離れてみると、不思議なことに、そういった数字があまり気にならなくなります。自分はこんな数字ぽっちに一喜一憂していたのか……と感じる瞬間が来るでしょう。
自分の創作に集中できる
数字や他人の評価が気にならなくなると、自分の創作に集中できるようになったと言う方も少なくありません。あくまで自分の創作に没頭することができると言うわけです。
本来創作とは孤独なものでもあります。SNS疲れをきっかけに、他人の目や評価を振り切って、自分の創作に思いっきり集中してみたくありませんか?
友人やファンとの関係に変化が起こる
SNSから距離を取ると、どうしてもフォロワーとは疎遠になってしまいます。しかし、他人との距離を恐れる必要はありません。
あなたが本当に大切にしたい友人には、他に連絡を取る手段がいくらでもあるでしょうし、逆に、あなたがSNSから離れてもあなたのことを大切にしたいと思ってくれている人は、何らかの手段であなたに連絡をしてくれるはずです。
以前に実施したアンケートでも、SNSと距離を取ったことで、友人や自分の作品のファンとの関係がもっとよいものになった、と感じている人は少なくないようでした。
SNSとの適切な付き合い方を模索していきましょう
SNSとの適切な付き合い方は人それぞれです。SNSをバリバリ使いこなしても何の問題もない人もいれば、SNSが肌に合わなくて全く使わない、使わなくても問題ない人もいます。
ちなみに筆者は、SNSをずっと見ている時期もあれば、全く見ない時期もあります(長いときは数ヶ月)。誰かとお話ししたいときはSNSをよく見るし、SNSに時間を取られすぎていると感じたときや自分のやりたいことに集中したい時は、SNSからログアウトしてタスクに集中しています。
あなたには、あなたにとっての適切なSNSとの距離感があるはずです。時間をかけても構いません。SNSとの適切な距離を探って、快適な創作ライフを楽しみましょう!
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