分散型SNSという言葉を知っていますか? ここ数年たびたび話題に上がっているので「言葉だけは聞いたことがある」「興味があって調べたけどよく分からない」という方もいるのではないでしょうか。
分散型SNSには以下のような特徴があり、普通のSNSよりも情報収集にベンリです。
- 分散型SNS同士でフォローできる
- RSSフィードで通知を受け取れる
- サーバーやSNSの引っ越し機能がある(フォロー・フォロワーの引き継ぎができる)
今回は、そんな分散型SNSについて、創作活動で利用するからこそ知っておきたい点などを中心に、その特徴を解説します。また、日本で代表的な分散型SNSであるMastodon・Misskey・Blueskyの3つを紹介します。
分散型SNSとは
分散型SNSってなに?
カンタンに説明すると、分散型SNSとは「異なるSNS同士で繋がる機能を持つSNS」です。
普通のSNSだと、一つの企業などが全てのサーバーやデータを管理していますが、分散型SNSの場合はSNSによってサーバーの管理者が違います。また、同じSNSだったとしても、複数のサーバーがある場合は、サーバーの数だけ管理者がいます。
オンラインゲームや、コミュニケーションツール「Discord」のサーバーをイメージするとわかりやすいかもしれません。
サーバーは誰でも建てることができます。ユーザーがサーバーを建てることで、同じ趣味の人同士で集まったり、独自のルールを設定しやすくなります。
SNSを使うときはあまり気にする必要はないのですが、他のサーバーやSNSと繋がる機能を使うための仕組み(プロトコル)はいくつかあります。代表的なプロトコルの一つ「ActivityPub」は、WordPressには同じ名前のプラグインがあり、プラグインをインストールすることで、サイトの情報を分散型SNSのタイムラインに流すこともできます。
ちなみに、一つの企業などが全てのサーバーやデータを管理しているSNSは「中央集権型SNS」と呼ばれています。
分散型SNSの例
- Mastodon
- Misskey
- Bluesky など
中央集権型SNSの例
- X
- mixi2 など
分散型SNSに多くみられる仕様
分散型SNSというのはカテゴリーのようなものなので、サーバーやSNSによって機能に違いがあったりもしますが、多くのSNSに以下のような機能があります。
- 異なる分散型SNS同士でフォローできる
- RSSフィードで通知を受け取れる
- サーバーやSNSの引っ越し機能がある(フォロー・フォロワーの引き継ぎができる)
分散型SNSの注意点
分散型でも繋がれないサーバー・SNSもある
サーバーやSNSによって、他のサーバーやSNSと繋がる機能を使用できないようにしている場合があります。その場合は分散型SNS同士でも繋がることができません。
サーバー毎にルールが異なる
分散型SNSは、よくも悪くも管理者によってルールや雰囲気が左右されます。そのため、サーバーやSNSに登録するときは、必ずサーバーやSNSのルールを確認しましょう。
検索避けやAI学習拒否などの機能が思うように反映されないことがある
利用しているSNSに「検索避け」や「AI学習拒否」機能があっても、投稿を受け取った別のSNSが機能に対応していない場合があります。
対応されていないと必ず検索やAI学習で登録されてしまう、というわけではありませんが、設定をONにしているのに別のSNS経由で検索エンジンに載ってしまう、AI学習の対象になってしまうなどのリスクがあります。
代表的な分散型SNSとその特徴
日本で代表的なSNSを3つ紹介します。今回紹介するSNSのサーバー管理人になる支援をしてくれるサービスもあるので、気になる方はぜひ調べてみてください。
Mastodon
フォローした人の投稿が流れる「ホームタイムライン(HTL)」、同じサーバーの人の投稿が流れる「ローカルタイムライン(LTL)」、様々なサーバーやSNSの投稿が流れる「グローバルタイムライン(GTL)」の3種類のタイムラインがあります。
シンプルながら、分散型SNSの基本的な機能は押さえているSNSです。
Misskey
日本製のSNSです。Mastodon同様3種類のタイムラインがあります。他にもコミュニティ(チャンネル)やリストなど、X(旧Twitter)に似た機能が沢山あります。また、Misskey独自の機能で「検索避け」「AI学習拒否」の設定もあります。
Bluesky
旧Twitterのような使用感が特徴のSNSですが、じつはBlueskyも分散型SNSです。MastodonやMisskeyと違い、ホームタイムラインのみのSNSなので、分散型SNSに慣れていない人でも使いやすいです。
注意点としては、現時点では独自のプロトコル(ATプロトコル)を使用しているため、そのままだとMastodonやMisskeyと繋がることはできません。ただ、Bridgy Fedというサービスを使うことで、擬似的にMastodonやMisskeyなどのSNSと繋がることはできます。
(MastodonやMisskey側でもBridgy Fedを使う必要があります)
まとめ
- 分散型SNSは「異なるSNS同士で繋がる機能を持つSNS」で、サーバーやSNSによっていろいろな特徴がある
- 様々な人をフォローしたり、サーバーやSNSの引っ越しができる
- RSSフィードで投稿を取得できる
- 管理人になるのをサポートしてくれるサービスもある
分散型SNSは、好きなサーバーにアカウントを持ちつつ、さまざまな人とつながることができます。また、万が一サーバーやSNSを変えたくなっても、人とのつながりを失うことなく引っ越しできます。
少しでも興味のある方は、ぜひ一度どこかのサーバーに入ってみてください!
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